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ウェルネスコラム

活性酸素から身を守る

● 酸化
鉄を雨ざらしにしておくと、やがて酸化されてサビてしまいます。りんごを切ったまま放置すると、酸化されて切り口が茶色く変色します。これと同じ変化が人間の体にも起こります。わたしたちにとって酸素は必要なもの
のですが、私たちの体は、日々酸化されてサビが生じてしまいます。その原因になるのが‘活性酸素’です。

● 4 種の活性酸素
人間の体は、細胞内にあるミトコンドリアという器官で糖分や脂質を使って、呼吸で取り込んだ酸素を活用しながら、ATP という生体分子中にエネルギーを蓄えます。その過程でスーパーオキシドという活性酸素が発生します。つまり、人間が生きていくうえでスーパーオキシドの発生は避けられないのです。次に、このスーパーオキシドが水の分子と反応して生成されるのが、過酸化水素です。過酸化水素は、強い毒性を持っています。過酸化水素が細胞内の鉄や銅の金属イオンと反応すると、ヒドロキシラジカルが生成されます。これは、最も強い酸化力を持つ活性酸素です。4 つ目の活性酸素、一重項酸素もまた強力な酸化力を持っている活性酸素です。光(太陽の紫外線など)による化学反応などによって発生します。
※ 活性酸素は毒にも薬にもなる : 病原菌や異物が体内に入り込んできた時、外敵を防御してくれるのは活性酸素。
また、肝臓の解毒機能の働きを助ける作用もあります。ある種のホルモン生成にも活性酸素は関与します。このようにプラスの働きもありますが、逆に人体を傷つけるマイナス面も多分にあります。

● 活性酸素の発生原因
通常、呼吸で取り込まれた酸素のうち2%程は活性酸素となります。この程度であれば、体内にある活性酸素を消去する抗酸化物質によって除去されるのですが、様々な原因により体内で活性酸素が大量発生することがあります。我々現代人の体内には、もはや除去しきれない活性酸素が大量に発生している状態です。
・普通の呼吸
・ ストレス (活性酸素の最大の発生原因)
・ 病原菌の侵入
・ 喫煙
・ 過度の飲酒
・ 激しい運動や労働 (酸素の消費量が多い)
・ 有害電磁波を浴びる (携帯電話、パソコンなど)
・ 水道水 (トリハロメタンが発生源)
・ 紫外線 (過剰に当たると害)
・ 化学物質が体内に入る (医薬品、洗剤、毛染めなど)
・ 食品添加物 (コンビニ等の加工食品)
・ レントゲンなどの放射線
・ 大気汚染 (工場の有害ガス、車の排気ガスなど)
・ 不規則な生活、睡眠不足


● 活性酸素の害
ウィルスによる感染症以外の病気のうち、90%が活性酸素によるものだといわれています。
「人は血管とともに老いる」(ウィリアム・オスラー)という100 年前の有名な言葉があります。
血管が老いるとは、サビるのと同じことで、この原因となるのが活性酸素の作用なのです。がんも活性酸素で遺伝子が傷つくことで始まりますし、寿命もまた、活性酸素量で決まります
さらには、老化やお肌の美容も活性酸素しだいです。

● 体のサビ対策
①活性酸素を増やさない (発生原因の除去)
ストレスを溜めない、禁煙する、深酒しない、急に激しい運動を始めない(適度な運動がよい)、有害電磁波対策を講じる、浄水器を用いる等して水道水をより安全に使用する、紫外線に過剰に当たらない、安易に薬を飲まない、食品添加物や残留農薬に注意する、有害な化学物質の使用を避ける、X 線写真は最低限にとどめる、十分な睡眠をとる、バランスのとれた食生活を心掛ける、空気の汚染されていない場所で過ごす、等。
②活性酸素をすばやく消す
活性酸素の掃除役は、酵素と抗酸化物質。体の中で作られる抗酸化酵素は、40 代からその働きが鈍くなっていきます。そうなると意識して体の外から抗酸化物質を補わなければなりません。食物から摂取するとともに、抗酸化サプリメントを摂取するのも効率的です。

<主な抗酸化物質>
・食品由来のもの (食品から摂取)
抗酸化ビタミン : ビタミンA、C、E
抗酸化ミネラル : 亜鉛、セレン等
ファイトケミカル : ポリフェノール、カテキン
・体内合成
グルタチオン、尿酸、ビリルビン、トランスフェリンフェリチン、セルロプラスミン
・体内合成 (抗酸化酵素)
SOD(スーパーオキシドジスムターゼ) CTA(カタラーゼ)
GSH-Px(グルタチオンペルオキシターゼ) GST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)
※人体のエネルギー発生所‘ミトコンドリア’を元気にするミトコンドリアや細胞内には、SOD という抗酸化酵素があります。SOD は、活性酸素であるスーパーオキシドを次々に分解し、活性酸素が細胞の外に漏れないように働きます。しかし、活性酸素が過剰に発生すると、活性酸素がミトコンドリアから漏れ出し、更に細胞の中にあふれるようになります。ミトコンドリアは、低体温では働きが鈍ります。ミトコンドリアをしっかり機能させるためには、ミネラル、ビタミンを補うとともに体温を上げましょう。

参考書籍
『メタボ・生活習慣病の元凶「酸化ストレス」の恐怖』 著者:藤木龍輔 発行:現代書林
『酸化ストレスから身体をまもる』 著者:嵯峨井勝 発行:岩波書店