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ウェルネスコラム

睡眠

moon 人生の1/3 は、睡眠ですね。人生2/3の活動時間を有意義にするために睡眠が存在するのではないでしょうか。 とすれば、この1/3の時間は大変重要なものといえるでしょう。睡眠中にいかに心身を整えることが出来るかは、人生をいかに豊かに過ごせるかに通じるのです。睡眠のメカニズムや、その意味・目的を見直してみましょう。


● 体内時計
人間の1日のリズムは、本来、約25時間であると言われています。(実験により、明らかにされています。)
しかし、地球のリズムである1日24時間に調整し、睡眠と覚醒を繰り返し暮らしています。1 日のリズムを「サーカディアンリズム」と呼び、このリズムを作る体内時計の機能は、脳の視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)が担っています。視交叉上核には、環境の明暗の情報が伝わっており、主に明暗の変化を手かがりとして、体内時計の時刻あわせが行われています。
また体の様々な臓器に体内時計が組み込まれているというのも実態です。体中に散らばっている体内時計は、視交叉上核の時計に対して従属的な地位にあり、視交叉上核から送られてくる時間情報を使って自分の針をそれに合わせるのです。視交叉上核が体内各所にある体内時計に「標準時」を知らせるルートとしては、自律神経と血液循環が考えられます。自律神経を伝わっていくのは電気信号であり、血液循環に関与するものはホルモンです。


● 睡眠とは・・・
睡眠とは、正常な脳の働きの中に組み込まれているもので、正常な脳の活動として意識の低下状態と考えることができます。眠りには2 つの特徴があります。ひとつは自然発生的であるということ、もうひとつは定期的かつ頻繁に起こるということで
す。眠りは、体が自然に機能を回復し、記憶を確かなものにし、無駄な細胞を浄化し、翌日のためにエネルギーを蓄える役割をします。睡眠は、意識の一つの形です。
睡眠中に筋肉が緊張したり、ほぐれたりすると、鼓動は体温や血圧と同じで上下し、脳の働きが活発になり、いろんな物質が血管を流れます。
睡眠は、大きく2 種類に分けられます。レム睡眠とノンレム睡眠です。ノンレム睡眠、レム睡眠がワンセットとなり、約90分サイクルで繰り返されています。入眠後3 時間はノンレム睡眠が多くを占め、起床時間に近づくほどレム睡眠の割合が高まります。この3 時間は、「黄金の3時間」と言われており、睡眠全体の質が決定されます。
① レム睡眠
浅い眠り。眠りながら目がキョロキョロ動き、体温と血圧が上昇し、この間に夢をみます。心臓の拍動や呼吸などを調節する自律神経系は、不安定となります。脳は起きている人並みに活動しています。
② ノンレム睡眠
深い眠り。脳・身体共にリラックスしいる状態になります。体温が下がり、呼吸や脈拍が穏やかになります。たまに夢をみますが、ほとんど覚えていません。
さて、なぜ浅い眠りであるレム睡眠が必要なのでしょうか。深い睡眠であるノンレム睡眠では、体温が下がると共に、脳の体温も下がってしまいます。これが長時間続いてしまうと、脳が本来の働きを取り戻すのが難しくなってしまうのです。だからこそ、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に起こり、温度の低下を防ぐ役割を果たしているのです。また、レム睡眠中は寝返りという点においても重要です。レム睡眠中は寝返りを起こしやすくなっています。
寝返りとは、一定の姿勢による体への圧迫から血行不良、筋肉疲労を防ぐ現象であり、日常の仕事・運動などで歪んだ脊椎・腰椎・頚椎などを修復する働きがあります。その他、ノンレム睡眠は記憶を定着させ、レム睡眠は不要な記憶の整理を行っているとも言われています。注目すべき報告にフランスの心理学者・グルーバーの知能学説があります。知能指数の高い子供ほど、レム睡眠の割合が高く、精神に遅れか見られる子どもの場合、レム睡眠が少ないという報告をしています。
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● 睡眠の目的
① 脳を休めること
体は横たわることによって休めることが出来るのですが、脳は睡眠によってしか休めることが出来ません。

② 体を休めること
筋肉を弛緩させることによって休息をします。疲労物質である乳酸を処理します。

③心を休めること
脳の活動を休め、リラックスした状態により心を休めることができます。
④ 免疫力(自然治癒力)を高めること
自律神経は交感神経(緊張の神経)と副交感神経(リラックスの神経)からなっています。睡眠中は、交感神経の緊張がとれ、副交感神経が働きリラックスしてきます。そうすると、リンパ球が増えることによって、免疫力が高まります。 コルチゾール(免疫物質を作る副腎皮質ホルモン)は、睡眠中に増加し、朝方最高となり、覚醒後の活動に備えます。睡眠に関与するメラトニンというホルモンは、活性酸素という有害物質を減少させ、免疫力を高めます。人間は3、4時間の睡眠不足の翌日、免疫機能が30%低下することが明らかになりました。(カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究より)

⑤ 細胞を新しくすること
睡眠中には、成長ホルモンが多量に分泌されます。子供の時には、主に骨や筋肉などの発育に必要な役割があります。「寝る子は育つ」とは、理にかなった言葉ですね。大人についても、体の機能修復に大きな影響を及ぼします。
成長ホルモンが新しい細胞を作って、皮膚を生き生きとさせます。

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● 「睡眠」語録
「眠り、それは悲しみでほつれた袖の修繕、労働をいやす湯船、心の痛みの癒し、そして人生という祝宴における一番のごちそう。」 (ウィルアム・シェイクスピア『マクベスⅡ世』)

文責:タカイキヨ