ECOだより
水道水の正しい知識 トリハロメタンとは?
トリハロメタンとは、浄水場で使用される残留塩素(次亜塩素酸)と、川や湖の原水に含まれる
フミン質(腐植質)といわれる成分が、
化学反応を起こして生成される4種類の有機塩素化合物です。
クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの4種類を総称して「総トリハロメタン」といいます。この4種類には肝毒性があるほか、クロロホルムとブロモホルムには発ガン性があり、ジブロモクロロメタンとブロモジクロロメタンは
突然変異(催奇形性)を誘発することが動物実験で明らかになっています。
本来このような毒性を示す物質が混入することは回避しなければなりませんが、現在の浄水処理方法(高度浄水処理方法を含む)ではこのトリハロメタンを完全に除去できていないため0.1mg/L(0.1ppm)以下の混入許容基準値が設けられています。
※0.1mg/L(0.1ppm)・・・100万分の1の単位
※フミン質・・・植物が不完全に分解した成分
水道水には当てはまらない煮沸消毒=安全?
「飲み水は煮沸消毒をすれば安全」という話をよく聞きますが、それは化学物質が混入していない井戸水の安全性を高めるための慣習であって水道水には当てはまりません。トリハロメタンは煮沸による熱の影響を受けて100℃の時点で最大5倍まで増加する特徴があります。沸騰した時点から水蒸気を逃がすように約15~20分煮沸し続けると蒸発して消滅しますが、料理や赤ちゃんのミルクなどを作るときに15~20分も煮沸し続ける習慣はありません。
水道水をそのまま使用するとトリハロメタンを知らない間に摂取することになります。
日本の総人口に対するガンの発生率や死亡者数が他国に比べて多いのは、いろいろな要因がありますが、熱の影響で増加するトリハロメタンとの因果関係も否定できません。
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